ピカソとクレーの生きた時代展

micky_okoba2009-01-25


渋谷に用事があったついでとは何なのだが、Bunkamuraザ・ミュージアムに「ピカソとクレー展」を見に行った。
夕方近くから入ったからか、比較的、ゆっくりと見ることができ、ピカソの大作「二人の座る裸婦」とか、ミロの
「リズミカルな人々」とか、間近でじっくりと見ては、引いて遠めで見たりとか楽しむ事ができた。

ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館が大規模な改修工事の為、休館する機会をとらえて、
その美術館のコレクションを世界に先駆けて日本での展覧会となったそうである。
20世紀前半の作品ばかりで、ピカソシャガールマグリット、ダリ、カンディンスキーなど多彩なコレクションだった。

中でも、クレーのコレクションは、第一次世界大戦当時ナチスが、クレーを退廃美術とし、
ドイツでの美術活動を認めなかった、過去の歴史を恥じて、
州立美術館が一挙に買い上げる事になったそうだ。
クレーの作品をこんなにたくさん見るのは初めてだった。

クレーの作品を見てると、ナチスから迫害を受けたという暗い背景は、微塵も感じさせない、
とても明るく暖かい絵ばかりだった。
クレーの人としての心の広さ、明るさを感じる。
だから、クレーの絵を見ているだけで、ほあわっと気持ちが暖かくなる。

展示作品の並びも、クレーが一番最後の部屋に並んでいて、明るい気持ちのまま、出て行くことができた。